一人で殆どの工程を行えるということは面白くもあり、大変なことでもあります。
納得のいく作品がどれだけ一生のうちに出来るか分かりません。
納得がいくようであれば長く続けていなかったかもしれません。
下絵も簡単に描けないこともありますが、日本には古くから残っている図柄があります。
それらを組み合わせることもできます。
オリジナルで描こうとするといくつもの線を描いて、
やっと納得のいく一本の線に辿り着くことができます。
在学中に先生から
「たくさん線を描くことでたった一つの線に巡り合う、だから線をたくさん描きなさい。」
ということを教わりました。
たった一つの線、それは小さな喜びでもあり、一つの作品が出来るとそれは大きな喜びに繋がります。
色も一色ずつ挿したい色を創ります。同じ色が創れることは滅多にありません。
その瞬間、その作品が一期一会でもあります。
ただ、一人でやれることは自分をそのまま表現することにもなると思います。
少なからず作家自身が隠したくても隠せない内面さえも伝わる人には伝わってしまうかもしれません。
私はそれで良し、それが良いのだと思っています。
因って、心の内まで露になっても恥ずかしくないような人間形成、
作品創りに取り組む姿勢を作品に具現化してみたいと思っております。